web用『おしりたんてい』タイトル画

へーっ、これはケツ作だ! 書店で初めて『おしりたんてい』のことヲシリ、筆者は尻を抱えて……、いや、腹を抱えて笑ってしまった。
おしりたんていは、顔がお尻の形をしたシリツ探偵。キャッチフレーズは「どんなじけんもププッとかいけついたします」、口癖は「フム、においますね」。名刺も尻のカタチだし、徹頭徹尾、尻との深い関係を臭わせる人物である。

しかし『おしりたんてい』の世界を満ケツ、いや満喫しているあいだも、筆者には気になって仕方がないことがある。
主人公・おしりたんていの顔は、顔なのか? はたまた尻なのか?

本のなかには、確かに顔だと思われるシーンもあれば、実は尻では?と疑われる場面もある。
人間の顔が、顔か尻か判別できないとは由々しき事態。同じ疑問を抱いている読者も多いと思うので、ぜひともここでケツ論を出してみよう。

顔か尻か、それが問題だ

キリリと細い眉と、穏やかながら眼光鋭い瞳。いかにも切れ者の探偵という面持ちのおしりたんていだが、顔の下半分は、丸い2つのふくらみになっている。この形が、万民の目に尻を思わせるわけだが、形状の問題だけではない。
普段の行動を見ると、おしりたんていの顔は、形が尻にそっくりなこと以外、疑いようもなく顔である。セリフの吹き出しが、ふくらみのあいだから伸びているし、紅茶のカップを、ふくらみのあいだに近づけて飲んでいる。
これらから、2つのふくらみは頬っぺたであり、その谷間の奥には、口と鼻が隠れているのだろうと確信される。

ところが、尻であることが決定的なシーンもある。おしりたんていは、緻密な推理の果てに犯人を特定すると「しつれいこかせていただきます」と静かに言う。
そして次のページを開くと、それまでの穏やかな絵柄が、忽然と劇画調に変わり、おしりたんていがカッと目を見開く。そして、ふくらみの谷間から、黄色いガスをブフォーッと噴射するのだ! これを食らった犯人は「く……くさい」と悶絶し、正体を現す。
この黄色いガスは、どう考えてもオナラでしょう! そしてオナラが出てくるということは、そこは尻でしょう!

とはいうものの、前述のように、顔としか思えない機能も見せる。
この結果、あるときは顔、あるときは尻、しかしてその正体は……という難解な事態になっているのである。

がまんしたオナラはどこへ?

コトの本質は、本来は口がある部位が尻の形をしており、そこからオナラと思しきガスが出る点に尽きる。だが、もし口からオナラが出ることがあるとしたら、おしりたんていは口の形がちょっと変わっている人というだけの簡明な話になる。

では、オナラが口から出る、なんてことがあるのだろうか?
ある! これは「ガマンしたオナラはどこへ行くのか?」という謎と関連がある。
オナラを構成する気体たちは、オナラを出さずにいると、大腸の血管に吸収されて、最終的には肺から呼気といっしょに外部に出る。つまり、ガマンしたオナラは口や鼻から出てくるのだ。

常人の場合、吸収されるオナラも、呼気に混ざるオナラもわずかなものである。だが、おしりたんていは、大腸で作られるオナラも、吸収されるオナラも莫大で、好きなときにまとめて出せるヒト……ということかなあ?

黄色いガスのすごい威力!

う~む。われながら理路整然としているようで、実はシリ滅裂なことを書いているのでは……という気分になってきました。
ハッキリしているのは、おしりたんていが発する黄色いガスが、きわめて強力なことだ。悶絶するほど臭い点から、おしりたんていの贅沢な食生活が垣間見える(肉や魚をたくさん食べると、オナラは臭くなる)が、そのガスは臭いだけでなく、物理的に威力がモノスゴイのだ。

たとえば、第1巻の『むらさきふじんの あんごうじけん』のクライマックスシーンを見てみよう。ここからはネタバレになってしまうから、未読の方は、どうか『おしりたんてい』を読んだ後に、以下をお読みください。

連続空き巣犯「かぎづめのシロ」が、むらさきふじんに化けていることを見破ったおしりたんていは「しつれいこかせていただきます」と言って、口から黄色いガスを噴射した。シロは、服やカツラを吹き飛ばされ、地下室の土の壁に10㎝ほどめり込んだ!
シロは2足歩行する犬だったが、おしりたんていと同じぐらいの身長があったので、体重を60㎏と仮定しよう。その場合、土に10㎝もめり込んだということは、時速290㎞で吹き飛ばされた計算になる! おしりたんていが1秒でガスを吹き出したとすると、その速度は風速117m。これは、もし自然界で吹いたら、東京スカイツリーが吹き倒されるウルトラ強風だ!
吹き出されたガスの量は、シロを直撃した分だけで、5万8千L、70㎏になる。常人が1日にシリから出すオナラの15万倍だ。

web用『おしりたんてい』図A

ふ~む、すごいヒトだな、おしりたんてい。彼の顔が、顔なのか尻なのかはやっぱりよくわからないが、彼の活躍が尻すぼみになることはないだろう。
ブブ~ッと期待しつつ、それでは皆さん、さよオナラ~。【了】