ウインドタイトル

『モンスト』に出てくるウインドは、一見すると扇風機のようなギミックである。
プロペラを回転させて風を起こす……って、まんまだなあ。

しかしこれ、なかなか厄介である。その風で、味方のモンスターたちは吹き飛ばされたり、吸い寄せられたりする。敵の攻撃を食らう位置に動かされることもあるし、せっかく整えた配置を崩されることもあるのだ。そんなコトをされると、ヒジョーに困る!

その一方で、科学的にたいへん興味深いのも事実。
ウインドは、どれほどの風を起こして、モンスターの入ったボールを移動させているのだろうか。ここでは、レッドリドラを吹き飛ばすシーンで考えよう。

レッドリドラの大きさを測る

ウインドが起こす風の強さを知るには、レッドリドラの入ったボールの直径と重さがわからなければならない。

しかし、そういうデータは公表されていないから、自分で算出してみよう。
出発点は、レッドリドラの速度が「時速80.33㎞」と明らかになっていること。
そのレッドリドラを手前の壁から向こう側の壁までまっすぐ飛ばし、そのシーンをコマ送りしてみる。
すると、13フレーム(コマ)で、向こうの壁に衝突した。ゲームの画面は1秒で30フレーム進むから、13フレームは13/30=4.3333……秒。時速80.33㎞でこの時間に進む距離とは、9.67mだ。
ゲームの画面に定規を当ててみると、その距離はレッドリドラの直径のジャスト10倍だった。ということは、おお、レッドリドラの入ったボールの直径は96.7㎝!
ふーむ、結構デカイなあ。運動会の大玉転がしの玉くらいあるということだ。

重さは、どうだろうか。これはさらなる推測になるが、筆者の目には、透明なボールのなかで、レッドリドラの体が空間の7割ほどを占めているように見える。
その場合、体積は331L。レッドリドラの体の密度が、自然界の動物と同じ1Lあたり1㎏とすると、レッドリドラの体重は331㎏となる。
これは重い! オスのヒグマの体重くらい。別の表現をすれば、大相撲の力士2人分ほど。
これが時速80.33㎞でぶつかったら、相当な衝撃だろう。

モンスターのなかには、時速200㎞とか、300㎞という激烈なスピードでぶつかるものもあるから、『モンスト』は予想を超えて凄絶なゲームだった!

こんな風、吹いたことがない!

さて、ここからが本題。体重331㎏のレッドリドラを吹き飛ばすとは、いったい、どんな風なのか?

ウインドが風を起こすシーンをコマ送りしてみると、レッドリドラは、0.6秒で2.23m吹き飛ばされ、味方のモンスターに当たって停止している。
また、風は放射状に放たれている。この場合、風速はウインドの中心からの距離に反比例して遅くなるはずだ。そして、レッドリドラはウインドの中心から81.8㎝離れた場所にいた。ここから計算すると、風の強さは次のとおりだ。

レットリドラに当たったとき、風速121m/秒!
ウインドから出た直後は、風速178m/秒!

ウインド図解

おおーっ、これはすごい!
日本で観測された史上1位の最大瞬間風速は、1966年に富士山で記録された風速91.0m/秒なのだ。レッドリドラに当たった時点でさえ、それ以上。ウインドが起こす風は、現実の世界では観測されたことのないレベルだ!
いきなりこんなギミックが現れて、未体験の猛風をぶっ放したりしたら、もはや戦いどころではないかもしれませんなあ。

たった2.23m吹き飛ばすのに、こんな猛風が必要とは、筆者も驚いた。それは、レットリドラの体重が331㎏もあるうえに、風が放射状に放たれるためウインドから離れるほど弱くなるからだ。

そう考えると、レッドリドラは、わずか81.8㎝といえ、ウインドから離れていてよかったなあ。だから、吹き飛ばされる距離が2.23mで済んだのだ。もし、ぴったりくっついていたら、風速178m/秒の風をまともに受けて、同じ0.6秒で4.7mも吹き飛ばされていた!

念のためにつけ加えると、レッドリドラが停止した3.05m地点での風は、風速33m/秒。5m地点では、風速20m/秒。ウインドの風は、近くにいるモンスターにとっては脅威だが、離れれば離れるほど安全なのだ。科学的には、ウインドが出現したら、少しでも距離を取ることをおススメします。【了】

特設サイト「ナツの極み。キャンペーン」「激・モンスト研究所」では、ウインドの実験動画を見ることができます。併せてどうぞ!

激・モンスト研究所