ぷよリンタイトル

「ぷよリン」という名前は、公募でつけられたそうですね。
それまでは「反射制限の敵キャラ」などと呼ばれて、困ったヤツ扱いされていたという。

ぷよリンに味方のモンスターがぶつかると、一呼吸おいて、遅いスピードで跳ね返される。
一度壁にぶつかってからぷよリンにぶつかると、速度は激減する。
こんな反射制限のおかげで、反射を利用して有利な陣形を組み上げることもできないし、壁際にいても連続反射攻撃もできない。
うーむ、厄介である。かわいい名前などつけず、「反射制限の敵キャラ」と呼んどきゃいいんじゃないか。

などとゲームでたまった感情をぶつけている場合ではない。
ぷよリンの反射制限ぶりを見ていると、科学的に気になってしまうのも確かである。
この敵キャラ、体はいったい何でできているのだろうか?

◆何でできているのか?

物体が、固定された別の物体にぶつかると、跳ね返されるスピードは、ぶつかった速度より遅くなる。その速度の減少率が「反発係数」。
たとえば時速100㎞でぶつかった物体が、時速70㎞で跳ね返されたら、反発係数は0.7だ。

ぷよリンにぶつかったモンスターは、大きくスピードを落として跳ね返されるから、反発係数が極めて小さいことになる。そうなる原因は、ぷよリンの体を構成する物質にあるのだろう。

では、現実の世界でいえば、それはどんな物質に近いのか? プヨプヨしている物質をいくつか集めて、実験してみよう。

用意したのは、①ゼリー、②コンニャク、③餅、④絹ごし豆腐、⑤木綿豆腐。
これらをぷよリンと同じ丸い形に成型し、直径3㎝、重さ40gのアルミニウム球をぶつけて、球がどんな勢いで跳ね返るかを観察してみよう。球がぶつかる速度を一定にするために、アクリルの筒を斜めに固定して、そのなかを転がすことにする。

筆者の予想を先に書いておけば、餅がいちばん近い気がする。
もしこの予想が当たったら、ぷよリンは「モチ蔵」に改名していただきたい。
あんな厄介なヤツは、ぷよリンなどというかわいい名前でなくてよろしい。

◆ややっ、意外な実験結果が!

さあ、実験開始である。

まずは、①ゼリー。
用意したもののなかで、見かけはぷよリンに最も近い。
ところが、球がぶつかると、ビヨ~ンと大きく変形し、元に戻る勢いで、球をボヨ~ンと跳ね返した! 球が跳ね返されるスピードは、ぶつかる速度とさほど変わらない。反発係数は、ほぼ1ということだ。びっくり!

続いて、②コンニャク。
これも、アルミニウム球をかなりのスピードで跳ね返した。その速度はゼリーより遅く、反発係数もゼリーより小さいことになるが、ぷよリンとはかなり違う印象である。

では、筆者おススメの③餅はどうか。
ワクワクと期待を込めて球をぶつけると、げっ。球はペタリとくっついて停止した!
こ、これは反発係数がいきなりゼロになってしまった。モンスターはぷよリンにくっつかないから、体が餅でできている可能性はなさそうだ。う~む、残念。

すると、④絹ごし豆腐では?
意外なことに、絹ごし豆腐に当たった球は、大きくスピードが落ちた。これまででいちばん、ぷよリンに近い現象だ! これにはかなり驚いた。

そして、⑤木綿豆腐。
なんとなんと、木綿豆腐ではさらにスピードが落ちた……ような気がするが。う~ん。同じぐらいかなあ。よし、ここはノーサイドで、両者を同点優勝ということにしよう! わーっ、おめでとう。

――などと喜んでしまったが、それでいいのか?
ここから考えると、ぷよリンの体は豆腐でできていることになりますぞ。
かわいいどころか、おいしそうなヤツじゃないか。皆さん、ぜひとも「とふリン」と呼んであげよう。

◆ぷよリンの分子構造

冷静に考えれば、ぷよリンの体が豆腐でできているはずはないだろう。
だが、反発係数が近い以上、どこか共通する要素があるはずだ。

ゼリーは、コラーゲンという長い分子でできている。コンニャクも、グルコマンナンという長い分子でできている。そして、両方とも、分子のあいだに水が含まれている。
つまり、長い分子のあいだに水が含まれると、プルプルとした弾力性が生まれるのだ。

豆腐は、豆乳に含まれたタンパク質の粒が「にがり」と呼ばれる凝固剤でくっついて、やはりあいだに水を含んでいる。
ただし、そのタンパク質は粒々で、コラーゲンやグルコマンナンの分子ほど長くないので、それほどの弾力性は示さない。

また木綿豆腐は、一度作った豆腐をあえて崩し、木綿の布で水を絞って作る。
これに対して絹ごし豆腐は、木綿豆腐より濃い豆乳に、木綿豆腐より多くのにがりを入れて、そのまま固まらせて作る。
つまり、両者の違いの一つは「水を絞られたか否か」にあり、それが筆者に「木綿豆腐のほうが。ぷよリンに近いかも」という印象を与えたのかも知れない。

ぷよりん図解

以上のことから、ぷよリンの体について科学的に説明すると「分子のあいだに水が含まれた物質でできているが、その分子は長くなくて粒々である」となるであろう。

などと科学的に推測をしたところで、えーと、この話がゲームにどう役立つのかは全然わかりません。というか、まるっきり役立たないと思われます。なんのための実験だったんだか。【了】

特設サイト「激・モンスト研究所」では、ぷよリンの実験動画を見ることができます。併せてどうぞ!
激・モンスト研究所