ゾロタイトル

ご存じロロノア・ゾロは、三刀流!
両手に2本の刀を握り、口に1本をくわえて戦う。まことにカッコいい!

現実世界にも、2本以上の刀を使う剣の流派はある。
宮本武蔵が開いた二天一流は、二刀流だった。江戸時代初期には、伊藤伴右衛門高豊という武士が三刀流を興していたと書いてある本もある。
なんと、三刀流は実在していたということ!?

だが、よく調べてみると、その三刀流は、腰に長さの違う3本の刀を差し、状況に応じて1本を選んで使うというもの。ゾロのように3本の刀を同時に使う流派は、残念ながら現実には存在しないようだ。
まあ、そうでしょうなあ。人間の腕は2本であり、両手に1本ずつ持ったら、それ以上は持てないのだから。

この問題を、ゾロは口にもう1本くわえることで解決し、三刀流を実現している。
しかし、素朴に疑問である。
刀を口にくわえて戦うことなんて、できるのだろうか?

刀を買って実験してみた!

口で刀を操る。ちょっと考えただけでも無理そうな気もするが、何事も試してみなければわからない。

まずは刀を手に入れようと、日本刀の通信販売サイトを探してみたところ……、ややっ、刀というのは高いのだなあ。
本物の刀は60万円、80万円が当たり前。100万円を超えるものさえある。
だが「模造刀」であれば、なんとか買えそうなものがあったので、これをポチッと購入。銘は正宗、送料込み1万850円である。

数日後、刀は届いた。箱を開けてみると、おお、かっこいい!
たちまち筆者は、ゾロになりきった。敵の5人や10人、蹴散らせてしまえそうだ。

ところが、鞘を払って構えると、想像したよりずっと重い。
量ってみたところ、980gもある。プロ野球選手のバットが平均850gというから、それより重いことになる。

こんなモノを、口にくわえるの?
ゾロになりきっていたはずなのに、筆者は実験する前から腰が引けてきた。

が、おそるおそる、ゾロのように刀を横向きにして、柄を歯で噛む。
そして、刀を支えていた手を放すと……、あだだだだだだっ、歯が折れるぅ!
あわてて口から離したが、まだ歯茎がズキズキする。

うーむ。ゾロは、こんな重いものを口にくわえて、敵を斬ったり、敵の剣を受け止めたり、果ては、くわえたまま会話したりしていたのか……。
どれも、筆者には絶対無理! 会話なんてできません! 振り回すなど、考えただけで恐ろしい。

――というわけで、1万850円を投じた実験は、1秒ももちませんでした。

ゾロはめちゃめちゃ歯が丈夫!

構えているだけでも苦しい状況で、戦っていたゾロ。恐るべき剣士である。

いちばんダメージが大きいのは、口の刀で敵の刀を受けたときだろう。
想像してもらいたい。バットを口にくわえ、それを別のバットでぶっ叩かれるという事態を。ゾロの戦いは、そういう状況の連続なのだ。

その衝撃力を具体的に計算してみよう。
プロ野球選手の打撃は1tもの衝撃だという。さらにテコの原理で、歯にかかる衝撃は増大する。筆者の歯列の幅を計ると4㎝だった。また、敵の刀を受ける点から、口までの距離は70㎝ほどだ。
すると歯が受ける衝撃は、距離の比に反比例して、なんと17.5t!
プロ野球の打撃の17.5倍!

ゾロ図解

そんな衝撃を受けたら、歯など1本も残るまい。総入れ歯になりたくなかったら、口の刀に敵の刀が当たるのだけは避けたほうが……って、それは本末転倒か。何のために刀をくわえているのかわからないもんね。

実際に、ゾロはこの刀をどう使っているのだろうか?
初めて三刀流を披露したシーンを確認すると、ゾロは口の刀で敵の刀を同時に2本も受け止めている。これは本当にすごい!
2本の刀が当たった瞬間、ゾロの歯は17.5tの2倍、すなわち35tの衝撃を受けたことになる。それでも平然としていたからには、ゾロの噛む力は35tを超えたはずだ。
計算すると、それは厚さ9㎜の鉄板を食いちぎれる超人的な力!

このヒト、ほんとにすごいな。噛みつきで戦っても充分強いということだ。
もしゾロが刀を持っていないときがあったとしても、襲いかかったりするのはやめたほうがよさそうです。【了】