妖怪ウォッチタイトル

相変わらず人気ありますなあ、『妖怪ウォッチ』。
でも、深々とナットクできる。古いギャグがいっぱい出てくるのも嬉しいし、何より『妖怪ウォッチ』の世界では「世の中の不思議なことや幸運・不運は妖怪たちの仕業」とされているのが、とてもオモシロイい!
物忘れをするのは、帽子のような「わすれん帽」が取り憑くからだし、悪いことをしてしまうのは、ペガサスに似た「魔ガサス」のせい。原稿の締め切りが迫っているのに、筆者がついついダラけた生活を満喫してしまうのは、きっと「ダラケ刀」の仕業なのだ。妖怪に取り憑かれちゃったんだから、仕方がないよね〜。

などと妖怪のせいにして、この原稿もここで「完」にしようかと思ったけど、それをやると人として終わってしまいそうなので、ちゃんと考えてみよう。
いろいろ迷惑をかける妖怪たちだが、主人公のケータ、本名・天野景太に説得されるなどして友達になると、それぞれの姿が刻印された「妖怪メダル」をくれる。ケータがこれを「妖怪ウォッチ」という腕時計のような装置に差し込んだとき、そのメダルをくれた妖怪たちが現れるわけだ。
これはいったいどんな仕組みなのか?

メダルを全部集めると?

妖怪メダルのサイズは、直径4.2㎝、厚さ4㎜、500円玉と比べると、直径は1.6倍、厚さは2.2倍もある。
この大きさだと、重さもかなりのものだろう。玩具のメダルはプラスチック製だが、実際の妖怪ウォッチは190年前に封印された妖怪・ウィスパーにもらったもの。そんな昔にプラスチックはなかったから、劇中のメダルは金属製だと思われる。
オリンピックで授与されるメダルは、銀メダルが銀93%、銅7%でできている。金メダルはこれに金メッキしたものだ。
妖怪メダルが銀メダルと同じ材質だとしたら、重さは58g。500円玉の8.2倍もあって、持つとズシリと重く感じるはずだ。

ケータが妖怪たちと友達になると、このメダルがどんどん溜まっていくのである。手元のオフィシャルガイドでは367体の妖怪が紹介されている。
その全員と友達になったら、総重量21.1kg。とても普通の小学生に持ち運べる重さではありませんな〜。
しかも同じ妖怪と6体まで友達になれる。その限度いっぱいまで友情を結んだ暁には、集まるメダルは2202枚。127kg! メダルは妖怪大辞典に収めることができるが、その辞典を持ち歩くにはリヤカーが必要だ。

どうやって呼び出すのか?

考えたいのは「なぜ妖怪を呼び出せるのか?」という問題だが、これがなかなか難しい。
「俺の友達! 出てこい、ジバニャン!」などと言って、ウォッチにメダルを差し込むと、妖怪が現れる。
ここから考えると、呼び出す機能はウォッチにあり、メダルには妖怪たちの個人情報が記録されているのだろう。仕組みとしては、電話に近い?
電話と違うのは、連絡が取れるだけでなく、いきなり本人が来ることだ。普通、携帯で友達を呼び出すときは、まず相手の都合を聞き、OKなら来てもらう。
だが妖怪ウォッチには、そうした親しき仲の礼儀はない。最も頻繁に呼び出される猫の地縛霊・ジバニャンなど、車と戦っている最中や、病気で寝ているときにも呼び出されていた。かなり強制的なシステムなのだ。

これを可能にする原理を現実世界に探すと「ワームホール」がある。
それは2つのブラックホールをつなぐトンネルのようなもので、1つのブラックホールに入ると、時間ゼロでもう1つのブラックホールから出る。ただし、理論的に「そういうものがあるかも」と考えられているだけで、まだ見つかってはいない。

これと同じ原理だとしたら、ウォッチにメダルを差し込むと2つのブラックホールが発生し、妖怪は不意にブラックホールに吸い込まれ、ケータに近いブラックホールから飛び出すことになるだろう。
これならジバニャンがヒドイ目にあっている強制力にも納得がいくが、ケータは妖怪を呼び出すばかりではなく、彼のほうが自分の近くのブラックホールに吸い込まれて、妖怪のもとに呼び出される可能性もありそうだ。

妖怪ウォッチ図解

そもそも、何をしているかわからない友達を、強引に呼び寄せる装置とはいかがなものか。
妖怪たちのなかには、大切な仕事をしている者もいる。
クマに似た「ケマモン」は、ケマモト村の村おこしのために頑張っている。「びきゃく」はきれいな足を持つ飛脚だ。彼らを呼び出したら、村おこしイベントは中止になり、郵便物は届かなくなってしまうのでは……?
やはり、相手の都合ぐらいは聞いた方がいいんじゃないかなぁと思います。【了】

イラスト:近藤ゆたか