変わった武器タイトル

考えてみれば、最初の仮面ライダーが丸腰で戦っていたのは不思議である。相手は世界征服を狙う悪の秘密結社だ。何の武器も携帯せず、よくライダーキックという肉弾技だけで戦ってきたなあ。
だからといって、ヒーローが強すぎる武器を持っていたのでは、面白くない。帰ってきたウルトラマンは「ウルトラブレスレット」を持っていて、これは槍とか盾とか、さまざまなモノに変形していたけど、万能すぎてちょっとなー、という印象であった。
つまりヒーローが使う武器は難しい。皆さん、試行錯誤を繰り返してきたのだと思う。その結果、「そんなモノが武器になるの!?」と驚くようなモノで戦った人々もいるので、ここでは「ちょっと変わった武器」を6つ紹介しよう。

第6位 レオの煙突ヌンチャク!

番組が始まった頃、『ウルトラマンレオ』は「拳法で戦う」姿勢を打ち出していた。それまでのウルトラマンたちのように、腕や目から光線を放つことも少なかった。
そんなレオが、ついに武器を手にする日が来る。ケットル星人との戦いで、工場の煙突2本を折って、超能力でヌンチャクを作ったのだ。怪獣図鑑によれば、その名もレオヌンチャク!
ヌンチャクも拳法の武具である。しかし、工場の煙突は通常、鉄筋コンクリート製。怪獣どもは同じ鉄筋コンクリート製のビルさえバリバリ壊してしまうのだから、それより明らかに強度の劣る煙突は、武器として役に立たないのではないか……と心配していたら、案の定、ケットル星人の槍で壊されてしまった。
結局、レオは工場の煙突をムダに破壊しただけ。工場の人たちは、カンカンに怒ったのではないかなあ。迷惑をかけただけで、役に立たない武器を作ったヒーローとして、ウルトラマンレオは筆者の記憶に残る。

第5位 ミズキが背負う巨大手裏剣!

『NARUTO』の忍者学校の教官ミズキは、巨大な十字型手裏剣を背負っていた。
マンガのコマで測ると、対角線の長さが60㎝もある! 手裏剣の模造品もとに計算すれば、重量は14.3㎏。ミズキはこれを2枚も背負っていたから、合わせて28.6㎏。小学3年生の男児をオンブしているのと同じだ。これでは武器を持ったばかりに、動きがニブくなるのでは……?
あるとき、ミズキがこの手裏剣を投げ、イルカ先生の背中に命中した。コマの描写を観察すると、刺さった深さは5㎝ほど。もちろん5㎝はかなりの深手だが、直径60㎝もの手裏剣がまともに刺さったのに、この成果は物足りないのではないか。
筆者の実験と計算によれば、手裏剣が当たった瞬間のスピードは、時速3.2㎞だ。人が歩くより遅く、これほどスローだったら、1mの高さから水平に投げたとき、40㎝しか飛ばないはずである。
大きすぎる手裏剣は、あまりにも重くて、やっぱり役に立たないと思う。

第4位 銭形平次のゼニ!

『銭形平次』の主人公・平次が投げていたのは「寛永通宝」というコインである。
中央に四角い穴があり、当時の両替屋では、銭100枚分の金額で97枚ほどの銭を紐に通したものと交換してくれたという。紐の両端は結び玉になっていて、結び玉は、銭がひとりでに抜けることはなく、しかし抜こうとすれば容易に抜ける絶妙の大きさだった。
オープニングでは「今日も決め手の銭が飛ぶ」などと言われていたが、決め手になることは少なく、逃げようとする下手人にぶつけて、その動きを止めたりしていた。平次が投げていた寛永通宝は3.5gのもので、現在の5円玉(3.75g)より軽いから、まあ当然ですなあ。
……と思っていたら、1967年の映画版に、平次が投げた銭が直径3㎝ほどのロウソク2本を切断するシーンが出てきた。これは驚くべきことだ!
これも実験&計算すると、直径3センチのロウソクを切断するためのスピードは、なんと時速1300㎞=マッハ1.05!
こんな超高速の銭がコメカミにでも当たったら、頭蓋骨にめり込むのではないか。平次がその気になれば「今日も決め手」にすることはもちろん、下手人をその場で処刑することも可能だったのだ。

第3位 麻宮サキのヨーヨー!

『スケバン刑事』麻宮サキの武器はヨーヨーで、モノスゴク強力だ。
注目したいのは映画版第1作でのエピソードで、このときは上空30mほどを飛んでいたヘリコプターを撃ち落とした!
ヨーヨーが30m上空届くだけでも驚きだが、何よりも破壊力がすごい。サキの手と比べると、ヨーヨーの直径は7㎝、厚さは4㎝ほどの重合金製。鉄の1.5倍の密度だと仮定すれば、重量は1.6㎏だ。市販のヨーヨーを量ると52gだったから、その30倍以上ある。
これを投げて、30m上空のヘリコプターの燃料タンクをブチ抜くには、少なくとも時速170㎞以上で投げなければならない! 
野球のピッチャーが投げたストレートの最高記録は、アロルデイス・チャップマンの時速169㎞だが、サキは野球ボールの11倍も重いヨーヨーを、それより速く投げた計算になる。

変わった武器図1

第2位 ホラーマンのホネブーメラン!

『アンパンマン』のホラーマンは、全身が骨だけの姿だが、すごい武器を持っている。体から2本の骨を外し、十字型に組んで投げる。その名もホネブーメラン!
オドロキに武器だが、骨を外しちゃって大丈夫なのか。ホネブーメランに使うのは両端が膨らんだまっすぐな骨で、腕か足の骨のように思われる。だが、足の骨を外したら立てないし、腕の骨を外したら投げられない。う~ん、どこの骨なのかなあ。
その飛翔力はものすごい。「ホラーマンとほたる姫」というエピソードでは、木の枝にぶら下げられた虫かごにホネブーメランを投げると、くるくる回りながら飛んで行って、虫籠を回収して戻ってきた!
そもそもブーメランというのは、何かに当たれば、刺さるか、その場に落ちるはず。なのに、狙ったものを回収して戻ってくるホネブーメラン! 奇々怪々すぎる武器である。

第1位 ハリケンブルーのソニックメガホン!

『忍風戦隊ハリケンジャー』の女性戦士・ハリケンブルーの「ソニックメガホン」は、驚異的な武器だ。ハンディスピーカーのような形で、衝撃波を発射できる。
そのうえ、敵の宇宙忍者に向けて「グルグル回れ~! グルグルもっと回れ~!」と叫び続けると、そのあいだ敵は空中に浮かんで前転し続ける!
その原理は、言霊の力を風神エネルギーで増幅することだという。しかし、地球に重力がある限り、物体が何の力も受けずに宙に浮かぶことはないし、慣性の法則がある限り、空中に浮かぶものが回転を始めることもない。重力や慣性の法則を操る手段は存在しないのだ。
実に不思議だが、ソニックメガホンは、言霊の力を増幅して、大自然の法則と宇宙の真理に命令できるということだろう。どんなに科学が進歩しても不可能だと思うけど、それを平然とやっているソニックメガホンにはアタマが下がります。

変わった武器図2