ドラ設定タイトル

知る人ぞ知る、知らない人はまったく知らないのが、ドラえもんの身長と体重だ。
身長129・3㎝
体重129・3㎏

それだけではない。ドラえもんは体のサイズも、その運動能力も、何から何まで129・3だ。
頭のまわり129・3㎝
胸囲129・3㎝
足の長さ129・3㎜(12・39㎝)
パワー129・3馬力
ネズミを見て飛び上がる高さ129・3㎝
ネズミから逃げる速さ時速129・3㎞
誕生日2112年3月9日(下4ケタが1293)

なぜ129・3なのか。マンガの連載が始まった1969年当時、のび太と同じ小学4年生の平均身長が129・3㎝だったから、という説もある。
一瞬ナルホドと思うけれど、それは身長だけの話であって、当時の小学生の頭のサイズが129・3㎝もあったわけではない。このあたりはナゾである。

設定どおりのドラえもんとは!?

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2011年)によれば、日本人男性20歳以上の平均身長はおよそ167㎝、体重は66㎏。
これに対して、ドラえもんの身長129・3㎝、体重129・3㎏は明らかにバランスが悪い。ロボットに対して言うことではないが、太り過ぎだ。

人の肥満度をチェックするBMIという指数がある。右の日本人男性の平均値でBMIを算出すると、23・7。日本肥満学会の肥満基準で、この数値は「普通」。25を超えると「肥満度1」、40を超えると「肥満度4」となる。大相撲の力士のBMIは40前後なのだが、ドラえもんの場合はなんと77・3。力士以上におデブなのである。

だが、マンガやアニメに描かれているドラえもんが、前述の体格かというと、実は怪しい。
マンガの絵から20の画面をピックアップして計測したところ、なんと頭部が身長の66%を占めている。
頭の周囲が129・3㎝なら、直径は41㎝。ドラえもんの頭部はほぼ球体だから、アタマのてっぺんから顎までの距離も同じくらいと思われる。すると、アタマの大きさは身長の32%しかない計算になる。画面を測定した66%は、その倍だ!
つまり、設定されている数字と、実際に描かれているドラえもんは、かなり違うのだ。

設定数値を元に、ドラえもんのリアルな体型を想像してみると、下のイラストのとおり。
げげっ。マンガやアニメで見慣れたドラえもんに比べると、グッとスマートではあるが、なんだか不気味だ。アタマと胴体の幅が同じで、足は異常に短かい。何か困ったことがあっても、気軽に「助けて、ドラえもん!」とは、なかなか声をかけづらいような……。

ドラ設定図解

タイムマシンが使えない!

マンガやアニメで描かれているドラえもんのアタマはもっと巨大だ。
身長の66%という割合から計算すれば、頭部の直径は85㎝。これは自動車のタイヤ並みの大きな直径だが、そのほうがナットクできる感じである。

だが、このサイズのドラえもんが実在すると考えると、それはそれで困った事態が発生する。
22世紀からやってきたドラえもんは、タイムマシンを自在に操る。タイムマシンの入口は、のび太の学習机の引き出しだが、こんなに巨大な頭で引き出しに入れるのか?
学習机の規格はほぼ決まっているようで、机の横幅は100㎝か110㎝のものが大半だ。のび太の机は片側に引き出しが付く片袖タイプだから、中央の引き出しの幅は70㎝程度、奥行きも60〜70㎝程度と思われる。
ところが、ドラえもんのアタマの直径は85㎝。どうやっても机の引き出しに入れないし、出られない。物語の冒頭で、ドラえもんは22世紀からタイムマシンでやってきたわけだけど、どうやって出たのだろうか?

野比家の全面改装が必要だ

野比家での暮らしにも、心配は多々ある。
日本家屋の場合、一般的な廊下の幅は91㎝。そこへアタマの直径85㎝のドラえもんが通りかかると、隙間はわずか6㎝しか残らない。これではパパやママはもちろん、のび太もすれ違えない。
スムースな行き来のためには、リフォームで廊下を幅を150㎝くらいに広げなければならないだろう。ああ、お金がかかる。
階段もリフォームの対象になりそうだ。マンガに描かれたドラえもんの足の長さを計測すると、身長の7分の1、わずか18㎝しかない(それでも、設定データの12・39㎝よりは長い!)。
一方、日本家屋の一般的な階段は1段あたり20㎝前後。つまり日本の家の階段は、1段がドラえもんの股下以上の高さがあるのだ。自分の股下よりも高い階段を上り下りするのは、相当がんばらない難しい。
だからといって、ドラえもんのためになだらかな階段に作り替えるのは大変だ。ドラえもんの足の長さはのび太の約4分の1だから、1段20㎝も4分の1にするならば、1段5㎝! 日本家屋の平均的な2階の高さは2・7mだから、5㎝の階段でその高さまで上るのに必要な段数は54段! 他のスペースをつぶして階段のスペースを拡張するしかない。
う~む。果てしなく続くリフォーム地獄だ……。

ドラえもんが実在したら……と考えると、このようにいろいろな問題が発生する。それでもあんなに楽しくて便利なロボット、一度はいっしょに暮してみたいものですなあ。【了】